G7サミットでは多くのデモが見られる。1999年のケルン・サミットのときには,会場をデモ隊が囲んで途上国の債務救済を訴えるという「事件」がおきた。だが,G7メカニズムが市民の声を聞く工夫をさまざまに進めてきた結果,デモという手段の利用は減ったように思う。もちろん,1万人規模の反サミット・デモが起きることはまだある。それに,こうした機会をとらえて「目立ちたがり」が会場周辺をうろついたり,政治家候補や政治団体が宣伝活動を行ったりすることもある。だが広島サミットを見ていた印象では,そうしたアピールもテロ対策のための警備の強化もあって比較的少なかった。
G7サミットは,2002年以降,議長国首脳が国際NGOなどの「Civil Society」とサミット前に対話することを慣例化している。デモの過激化に対する「ガス抜き」と言う向きもあるが,国連会議などでも国際NGOのオブザーバー参加は珍しくない。その意味では,Civil Societyとの対話は当然の時代の流れだろう。

G7議長国の首脳は「市民社会」との対話を行う!
2005年には議長国イギリスのブレア首相がジュニア・サミットを始め,慣例化した。その後,参加国の多様なステークホルダーがG7の枠組みで会議を開くようになった。これらは今「エンゲージメント・グループ」と呼ばれている。広島サミットのさいに開かれた公式会議は古い順に以下の7つで,集約された意見は首相が対面で受け取った。

・C7 (Civil Society 7:市民社会)
・Y7 (Youth 7:若者=40歳以下の大学生や研究者など)
なお,これとは別に中高生によるジュニア・サミットも定例開催
・L7 (Labour 7:労働組合)
・B7 (Business 7:経済団体)
・S7 (Science 7:科学者)
・W7(Women 7:女性)
・T7 (Think 7:世界中のシンクタンク)
各グループの提言は公開され,さまざまなルートで首脳会合や大臣会合などの議論に影響する。サミットが山頂なら,山麓からの意見はこれら「エンゲージメント・グループ」によっても山上まで運ばれていくのである。

G7には公式の「エンゲージメント・グループ」がある!
