主要国首脳会合「サミット」の開催は,たいてい5月から7月に開かれる。1975年に始まるサミット50年の歴史のなかで,例外となったのは初回のランブイエ・サミット(1975年11月)とビアリッツ・サミット(2019年8月)で,ともにフランスでの開催だった。これらに,コロナ禍のために対面開催が見送られた2000年の首脳会合(オンラインで3月・4月に開催)を加えても,50年で3回だけだ。
気候がいいから,というのも理由の1つだろう。雪の時期では円滑に移動できるかも心配だ。また,夏休み時期を避けるのも当然だろう。長期のバカンスを取るのが一般的な国が含まれている以上,各国の公務員たちに激務を強いるようなイベントは夏にはできない。
それなら,春ではなく,紅葉の時期でもよいように思うが,政治の都合でそうはいかない。じつは,春から夏前に行われるのはアメリカが主要メンバーだからなのだ。アメリカでは11月に選挙が行われる。大統領選挙は4年に一度だが,連邦議会選挙は2年に一度,必ず行われる。ようするに,アメリカ大統領が確実に参加できる時期に落ち着いた,ということなのだ。

G7サミットの開催時期が春から初夏になるのは,アメリカでは11月に選挙が行われるからだ!
もちろん,サミットの日程は,アメリカだけでなく,参加国すべての政治日程に配慮して決められる。日本が議長となるサミットは6月下旬から7月にかけての開催が多かったが,これは通常国会の終了を念頭に置いて日程を決めるためだと思われる。ただし,7月に参議院選挙が予定されている年は5月になる。1986年と2016年がこの例に該当する。
例外は2023年の広島サミットで,選挙もなく,通常国会中でもあるのに,5月に開催された。あくまでも,もしかしたらの話だが,岸田首相は内閣支持率が急上昇したら,衆議院を解散して総選挙,という可能性も考えていたのかもしれない。

日本で開催されるサミットは,国会や選挙の日程の影響で,5月と7月の開催が多かった。
