2024年のプーリア・サミットは驚き満載!

2024年はG7サミットが誕生して50周年の記念の年。議長国イタリアが選んだ開催地は,南部プーリア州のホテルBorgo Egnaziaだ。前年の広島サミットは大都市で開かれたが,今年はオリーブ林に囲まれた高級リゾートホテルで,本来のリトリート(隠れ家)方式に戻って開催される。

この「プーリア・サミット」の日程は6月13日から15日で,まだ約1か月先だが,現時点ですでにいろいろな驚きがあったので,簡単にメモしておきたい。

第1は参加者である。G7メンバー以外の招待国については,近年,中国を意識したアメリカ主導の政治的結束を反映するかのように,韓国やオーストラリアが招かれてきた。だが,イタリアはこの2国を招待しなかった。アジア太平洋からの参加は日本とインドだけだ。

議長国イタリアはプーリア・サミットの招待国から韓国やオーストラリアをはずした!

招かれたのは,イタリアが主要議題と定めた「地中海・アフリカとのパートナーシップの促進」を意識した顔ぶれ,すなわちエジプト,チュニジア,ケニア,アルジェリアである。だが,なぜかAU=アフリカ連合議長国(モーリタニア)は含まれていない(2023年の広島サミットでは議長国コモロの首脳を招待)。

あとは,G7から派生したG20の昨年・今年・来年の議長国,すなわちインド,ブラジル,南アフリカと,そしてなぜかアルゼンチンである。アルゼンチンはおそらくメルコスール=南米南部共同市場の今年の議長国であるため選ばれたのだろうが,イタリア系に祖先を持つ人口が半数近くに及ぶ国であることも影響しているのかもしれない。

そのほか,ウクライナのゼレンスキー大統領が,広島サミットに続いてゲストで参加するほか,ローマ教皇フランシスコ(アルゼンチン生まれ)も人工知能(AI)の問題についての議論に参加するという。ローマ教皇の参加はもちろんサミット50年の歴史で初めてだ。

プーリア・サミットでは,生成AIについての議論にローマ教皇が参加する!

第2は閣僚会合である。わたしは以前,日本開催のサミットでは,中央省庁のメンツゆえに閣僚会合が多いと書いた。実際,広島サミットではサミット史上最多の15の閣僚会合が日本各地で開かれ,各地域の「おもてなし」の舞台にもなった。

ところが今年,イタリア政府は20もの閣僚会合をイタリアの街々に振り分けた。しかも首脳会合の準備のために開かれるものは少なく(外相・蔵相・環境相など6会合),半分以上を夏休み後に開くという。首脳会合で決められる方針を踏まえて具体策を詰める会合にするつもりかもしれないが,議長国の役割が通年であることのアピールのようにも見える。いずれにしても過去にはないパターンだ。

2024年のG7閣僚会合は過去最多の20を予定!

政策協調の成果についてはプーリア・サミット後に検証しよう。

なお,日本人としてはとても気になる核不拡散・核軍縮では,昨年のサミットで出された「広島ビジョン」を受け,今年4月に局長級会合が開かれて,G7としての声明が出されている。あとはこれを受けて首脳会合の首脳宣言にどういう文言が書き入れられるか,注意して見ておきたい。