G7サミット論

G7サミット(主要国首脳会議)について,国際政治学の観点から解説します。

わたしは1990年代後半からサミットの研究を始め,2000年の九州沖縄サミット以来,日本で開催されるサミットでは,現地から各種メディアを通じて解説をしてきました。わたしはGのあとの数字が変わることがあっても,「主要国協調のメカニズム」は国際政治で大きな役割を果たしていくと思っています。

このブログを通じてG7サミットについての誤解が少しでもなくなることを願っています。

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2025年のG7サミット:存続だけが意義だった?

G7カナナスキス・サミットでの政策合意はかなり少なく、しかも貿易や気候変動などには触れなかった。トランプ大統領は途中で帰国したが、2027年に議長国を務める以上、アメリカは今後もG7に参加するだろう!
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カナナスキス・サミットで石破首相は活躍できるか?

日本にとってG7サミットは日米の二国間協議の場としても重要だった。G7サミットは時間軸となって日本の経済政策のグローバル化に役立ってきた。カナナスキス・サミットでは、内政型政治家の石破首相の外交能力も問われている。
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カナナスキス・サミットはG7存続への試金石なのか?

2025年のG7サミットは「G6+1」の様相となる可能性がある。首脳声明の発出も初めて見送られる。だが、アメリカ・ファーストに自制をうながすことができる政治のしくみがあるとすれば、もっとも可能性が高いのはG7サミットだ。
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サミットの歴史を振り返る(その2) ロシアの参加と追放は当然の成り行き!

G7サミットはソ連崩壊後の混乱に対処するため,あえて旧敵のロシアをメンバーに加えた。しかし,独善的なプーチン大統領のクリミア半島併合を期に,ロシアを追放し,政治的価値観を共有するG7に戻っていった。
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プーリア・サミットは高評価!

プーリア・サミットのコミュニケは26の政策分野で約470の国際公約(コミットメント)を盛り込んだ。広島サミットと比較するとその量は少ないが,内容などから見て合格点がじゅうぶんに与えられるサミットになったと言えるだろう。
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祝サミット50周年! サミットの歴史を振り返る (その1)

G7サミットの50年の歴史を理解するには,まず25年ごとに前半と後半に分け,さらに前半に5つのフェーズがあったとするとわかりやすい。
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サミットの存在意義は政治的に説明すべし!

G7の存在意義を考えるさいに重要なのは,経済力ではなく,民主政治などの価値観の維持・普及や,国際連合の機能低下の補完といった政治的な視点である。
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G7はグローバルサウスを取り込んでG10に変貌!

G7はGのあとの数字を増やしながら,世界の政治経済の動きに今後も影響力を行使し続けるだろう。グローバルサウスと呼ばれる国のうち,インド,ブラジル,オーストラリア,インドネシアなどは有力候補となってくるのではないか。
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2024年のプーリア・サミットは驚き満載!

2024年6月にイタリアで開催される「プーリア・サミット」は,招待国の顔ぶれや閣僚会合の数の多さで,きわめて特徴的なサミットになっている。また,ローマ教皇が初めて参加し,AIについて議論するという。
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広島サミット記念館に物申す!

2024年5月,広島サミット記念館が平和公園内に誕生した。会議に使われたテーブルのほか,原爆資料館を見学したあとに書かれた各国首脳の色紙などが展示されている。研究者的には,議論の内容について踏み込んだ展示がなかったのが残念だった。
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広島サミットは「広島AIプロセス」を創設!

広島サミットでは生成AI(人工知能)も取り上げられ,幅広く議論するための「広島AIプロセス」の創設が指示された。このプロセスは12月にAIに関する指針に合意した。首脳会合はこのように司令塔としての役割を果たしている。
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広島サミット:定めた指針は多様かつ最多!

広島サミットのコミュニケ(首脳宣言)には過去最多となる約700の公約(コミットメント)が盛り込まれた。カバーする政策領域は驚くほど多岐にわたっている。
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ゼレンスキー大統領がサプライズ参加!

広島サミットにはゼレンスキー大統領がサプライズ参加した。G7のウクライナ支援は広範・膨大なものとなり,日本が得意とする復旧・復興支援も盛り込まれた。ゼレンスキー大統領はグローバルサウスの首脳たちとも対談し,G7という外交の場をフル活用した。
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広島サミットでは核軍縮の文書化が実現!

広島サミットでは,コミュニケ(首脳宣言)に「核兵器のない世界という究極の目標」が掲げられ,G7として初の核軍縮文書「G7首脳広島ビジョン」が発表された。サミット開催を契機に,核不拡散・核軍縮の実現を願う世論が喚起されたにちがいない。
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エルマウ・サミット(2022年)の分析:再認識されたG7の役割!

2022年のエルマウ・サミットは,ロシアのウクライナ侵攻を受け,改めて民主政治,自由主義経済,国際法の遵守といった価値観を共有する「主要国」の結束の重要性を確認する機会となった。
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首脳たちは食べてるときも話し合う!

サミットの議題と参加国の多様化を受け,サミットで首脳たちは10程度の会合をこなしている。日程がタイトなこともあり,ワーキング・ランチやワーキング・ディナーも行われている。
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広島サミット:カートン教授の評価は過去最高!

広島サミットについてトロント大学のカートン名誉教授の評価は過去最高だった。公式文書に盛り込まれた公約(コミットメント)が過去最多となり,核不拡散・ウクライナ支援以外の多様な分野での政策協調が高く評価された。
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G7サミットは政治的理由で春に開催!

G7サミットはたいてい5月から7月に開かれる。気候や夏休みのこともあるが,じつは最も大きな理由はアメリカの選挙である。もちろん他の参加国の政治事情も考慮して開催時期は決定される。
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開催地の利益は計り知れない!

サミットが開催地にもたらす経済利益は膨大なものである。広島サミットでは軽く1兆円を超えた。さらに開催地には「栄誉」という精神的利益までもたらされる。負担も大きいが,開催の利益はそれを上回るだろう。
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記念写真の立ち位置は決まっている!

G7サミットのさいに撮影される記念写真の立ち位置は外交儀礼で決まっている。1983年に中曽根首相が議長の隣に立ったのは例外で,在任期間が短い日本の首相は,当然,端のほうに立つことが多い。