サミット開催には経済効果がある。2023年9月,同年に開催されたG7広島サミットの経済効果について,広島サミット県民会議(広島県・広島市などが参加)は推計した経済効果を発表した(実際には委託を受けた調査会社が推計)。
サミット開催の直接的な経済波及効果は推計1217億円。準備や警備が大規模になったことなどを反映し,広島市に573億円,その他の広島県内自治体に152億円,県外に492億円の経済面でのプラス効果がもたらされたという。たしかに警察官がコンビニで買うおにぎりの数を考えただけでも,開催地に膨大なお金が落ちる理屈はわかる。
加えて,宣伝効果もきわめて大きかった。広告に換算すると効果は8832億円にのぼるという。サミットでは「国際メディアセンター」に世界から数千人のジャーナリストが集まり(わたしもいたが),政治的な話題だけでなく,開催地の様子なども内外に発信する。報道関係者のなかにはSNSで食事の様子などを発信する人もいるだろう。ちょっとした宣伝効果も数が多ければインパクトをもつ。
さらに,サミットで知名度が高まると,開催後の観光客の増加なども見込める。上記の推計では,こうした影響を開催後5年間で1649億円と見積もった。開催地の住民に交通の規制などで大きな負担がかかるのは確かだが,サミット開催は地元に大きなプラスの経済効果をもたらすことを忘れてはならないだろう。
もちろん,サミット開催には経費もかかっている。だが,国家あげての事業なのだから,主として国の経費でまかなわれる。広島サミットの場合,外務省予算(2年度分)で約260億円,警察庁予算は約300億円だ。ほかに広島県が約83億円,広島市が約30億円を負担した。費用対効果の評価はむずかしいが,もともとが国をあげての国際社会への貢献活動なのだから,損得ばかりを気にするのはどうかと思う。

広島サミットの経済効果は軽く1兆円を超える!
ちなみに,2016年の伊勢志摩サミットについては,三重県がサミット開催前後3か月についてマイナス効果を含む直接的影響を調べ,直接的な経済効果を県内で約483億円,県外で約587億円の合計約1070億円と算定した。また,約3098億円のパブリシティ効果もあったと発表した(国内で約1874億円,海外で約1224億円)。
将来の経済効果については,三重県の百五銀行・百五経済研究所が,外国人観光客数や国際会議件数の増加などで,開催後5年間の経済効果は約1110億円に上ると試算した。さらに年495億円の経済効果が国内観光客数の増加によって1~2年は持続するだろうと予測した。
一方,2008年の北海道洞爺湖サミットについては,北海道経済連合会が開催に伴う北海道全体への直接的な経済効果を約350億円と推計している(「北海道洞爺湖サミット開催に伴う生産波及効果分析」,2008年10月)。また波及効果については,観光客の増加などで約280億円にのぼるだろうとした。
経済効果だけではない。何よりもサミット開催は「栄誉」という精神的利益まで付与してくれる。各国首脳が街に滞在し,この地で世界の諸問題を議論したという事実は,それだけでじゅうぶんに名誉なことだろう。首脳たちは地域の名所を訪れ,地元の食材を食べる。それもまた地域の誉れとなるにちがいない。

G7サミットは開催地に栄誉ももたらす!

ちなみに,洞爺湖にも志摩にも「記念館」がある。写真や会議のテーブルなど,多種多様な展示が見られる。わたしが行くときだけかもしれないが,見学者は多くないので,ゆっくり見てまわれる(サミット好きの方はぜひ!)。
