衆議院の解散を翌日に控え,「何解散と名付けますか?」という取材をいただいた(テレビ愛知「5時スタ」)。とりあえず「変わり身?解散」とこたえた。
解散総選挙の時期や裏金議員の公認などについて石破さんの姿勢が揺らぎ,結果的に「変わり身が早い」首相が仕掛けた解散に見える,というのが第一の理由だ。総選挙をする以上,勝つための策が優先され,それに応じて発言が変わるのは別に驚くことではないのだが,国民が受ける印象を考えると,こういうネーミングがふさわしいと思った。
第二に,前回の総選挙後,自民,立民,公明,維新,共産の各党でトップの顔が変わった。なので,顔は変わったが「中身も変わった」のか各党について問うべきだ,という意味で「変わり身?」と呼んでみた。特に「昔の顔」の再登場となる立憲民主党については,何が新しくなったのか,自民批判以外の選挙姿勢や政策指針などを確認しておきたい。

新顔の政党リーダーが5人いるのだから,各党の政治姿勢や政策に変化があったのか,しっかり確認しないと!
この時期に解散をしなければいけなかった理由も問われた。就任当初のご祝儀相場のうちに解散するほうがよいに決まっているし,首相が変わった以上,有権者の信任が得られるかを問うことは民主主義的には大事なのだが,それ以外にも野党対策と与党対策があるように見えると答えた。つまり,野党に選挙協力を進める時間を与えたくないし,自民党の反石破の人たちも結束して党の方針に従うしかないという状況を作り出したい,ということだ。
今回,自民党の苦戦が想定される中,野党共闘はなかなかむずかしいだろう。立憲民主の野田代表は「右寄り」なので,国民や維新との協力を優先させたいだろうが, 国民や維新からすれば,自公政権に加わる道もあるので積極的に選挙協力をする必要はない。

与党の議席減を見越して,与党になろうとする野党が出てくるかもしれない。野党共闘はどこまで実現するのだろう?
公認問題についても問われた。「裏金議員」を全員公認すれば野党・世論からの厳しい批判にさらされる。かといって全員を非公認にすれば候補者が大きく減ってしまう。しかも,「裏金議員」の多くは旧安倍派で,その多くは先の自民党総裁選で高市さん側だった。なので,非公認を増やせば,新党を立ち上げて自民党から出ていってしまう可能性だって出てくる。自民党執行部としては,党の議席数を減らさないために,「公認はするが比例復活は認めない」という落とし所で党をまとめたいのだろう(それを求める執行部の議員も比例名簿に搭載しないことになった)。
総選挙の注目ポイントについては,政権交代もありうる以上,野党は自民党批判以外に政策で何を訴えるのか? に注目していると答えた。加えて,石破首相が「地方重視」を掲げて政策を進める中,自民党は都市部の有権者の「納得と共感」が得られるか? も気になる点だ。無党派層が多い都市部の有権者の心をつかむのは,地方重視の自民党と批判重視の野党のどちらになるのだろう?

地方重視の自民党と批判重視の野党は,はたして都市部の無党派層に受け入れられるのか?
