支持率25%以下は政治の基本技量不足!

石破内閣の支持率が政権発足以降の最低を更新している。2025年5月には、よくても30%そこそこに低迷しており、調査によっては20%ちかくにまで落ち込んだ(時事通信20.9%、毎日新聞22%)。

言うまでもなく、現代民主主義国家では「議会の多数」と「国民の支持の多数」をともに持っていなければ、政権運営がむずかしい。

アメリカのトランプ政権が盤石なのは、全米で有権者が投票する選挙で大統領が選ばれたことに加え、与党の共和党が連邦議会の上院と下院の両方で多数をもっているからだ。一方、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、大統領が国民の支持を得て選ばれても、議会の多数は野党に握られていた。ゆえに「非常戒厳」を出す騒ぎとなり、政権は崩壊した。

議院内閣制の場合、国民が首相を選挙できないので、代わりに「内閣支持率」が政権の安定度の指標となる。もちろん高いほうがよい。加えて、衆参両院の多数がともに与党で、言い換えれば「ねじれ国会」になっていなければ、政権は安定する。石破内閣では、与党が衆議院の過半数議席をもっていない以上、国民からの支持率が政治力の源泉としてより重要となるのだが、石破内閣はこちらも失ってしまったようだ。

「議会の多数」と「国民の支持の多数」の両方がないと、政権運営には苦労するよね!

内閣支持率の低下は、多くの場合、首相個人のイメージの悪化を示している。それは、政党政治、行政、マスメディアのそれぞれの関係者の行動に影響を与えていく。

  1. 党の「顔」である首相の人気が下がると、選挙を控えた与党の議員たちや党内の「反主流派」が党の行く末に不安を感じ、首相をその座から追い落とそうとするかもしれない。
  2. 首相の人気が下がると、政権をサポートすべき官僚たちの動きが悪くなることも考えられる。首相の交代可能性が感じられれば、「この首相に尽くしても徒労に終わるのではないか」との思いが強まるためだ。もし政策遂行に支障が出れば、政権のイメージはさらに下る。
  3. マスメディアは「人気者」に弱い。存在意義に政権批判を掲げていても、人気のある首相を過度に批判すると国民の反感を招きかねない。一方、権力者が不人気なら、ためらいなく叩ける。報道は国民の批判的気分をさらにあおり、ますます支持率を下げていく。

つまり、現代の首相にとって、内閣支持率を高く保つことは基本的な政治技量なのである。国民の支持を喚起できないようでは、党内、官僚、マスメディアからの反発が強まる可能性が高まり、当然、長期政権など期待できない。事実、内閣支持率が40%を下回ることがほとんどなかった小泉純一郎内閣と安倍晋三内閣は、ともに長期政権だった。

小泉元首相など「自民党をぶっこわす」と叫んで、与党内に強く反対する意見が多い政策まで、国民の支持の高さを背景に押し切って実現させた。議会に支援する議員を多く送り込める既得権益集団の利権排除には、世論の喚起が不可欠ということだ。

支持の喚起は、政治リーダーの基本的なワザだよね!

いずれにしても、内閣支持率25%以下では首相を務められるレベルの政治家ではない、ということだろうとわたしは思っている。もちろん半数にあたる50%が理想だが、内閣支持率はスタート直後から低下していく、という傾向がある。「期待外れ」に思う人が増えていくためだ。ゆえに、政権発足から半年しても40%を維持しているなら、上出来というのがこれまでの傾向あ。反対に、50%のさらに半分、つまり25%も支持が得られないなら、退陣やむなしの雰囲気がただよってくるのも当然だろう。

7月には参院選が行われる。石破内閣の命運を左右する重要な選挙になるはずだ。